おはよざっす!リアンです!
この記事では遊戯王の出張ギミックの一つである「千年ギミック」とオルターガイストの相性や構築、運用方法についてまとめていこうと思います。
まだまだ研究段階のものではありますが、それでもオルターガイストと噛み合う点が多数確認できていますので、この記事で紹介していきます。
千年ギミックとは?

千年ギミックとは、INFINITE FORBIDDENで追加された「千年の眠りから醒めし原人」などを始めとした、ライフポイントを消費してモンスターを特殊召喚していくギミックです。
これによりモンスターを並べてリンク召喚を行ったり、ランク8を立てて制圧効果持ちモンスターを作ったりなどをすることができます。
また、打点の高さを生かして戦闘したり、千年ギミックから出していける蛇眼の原罪龍(以下ダムドと表記)を出して相手モンスターを除去したりなど、後攻からでも妨害を踏んでいける強みもあります。
ギミックに必要なカード紹介
千年の眠りから覚めし原人

効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻2750/守2500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合に発動できる。このカードを永続魔法カード扱いで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
(2):このカードが永続魔法カード扱いの場合、
2000LPを払うか手札の「千年の十字」1枚を相手に見せて発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、デッキから「千年」モンスターか「ミレニアム」モンスター1体を手札に加える事ができる。
(3):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、モンスターの効果では破壊されない。
(以下原人)
千年ギミックを代表するカードです。
このカードは手札から自分で永続魔法になることができ、また永続魔法状態の時に2000LP払うことで特殊召喚+千年モンスターのサーチを行うことができます。これで後に紹介するゴーレムをサーチして展開をしていきます。
重要な初動ですので、千年ギミックを使う際は必ず3枚採用するカードになるでしょう。
千年の宝を守りしゴーレム

効果モンスター
星6/地属性/岩石族/攻2000/守2200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札に存在する場合に発動できる。このカードを永続魔法カード扱いで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
(2):このカードが永続魔法カード扱いの場合、
2000LPを払うか手札の「千年の十字」1枚を相手に見せて発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、デッキから「石版の神殿」1枚を手札に加える事ができる。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分の「千年の十字」の発動は無効化されない。
(以下ゴーレム)
原人と同じく手札から永続魔法化+2000LP払って特殊召喚ができます。こちらは特殊召喚後にフィールド魔法である石版の神殿(以下神殿)を持ってくることができます。
世間一般では1枚か2枚かで意見が別れるようですが、オルターガイストで運用する場合はランク8を立てることが重要だということと、そもそもオルターガイスト自体が現状メインデッキの自由枠を割きづらいデッキとなっていますので、ここでは1枚採用の前提でお話を進めます。
石版の神殿

フィールド魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
手札からモンスター1体を永続魔法カード扱いで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
その後、「千年」モンスターか「ミレニアム」モンスター1体をデッキから永続魔法カード扱いで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
(2):自分フィールドの表側表示の、「千年」モンスターか「ミレニアム」モンスターが戦闘・効果で破壊された場合、墓地へは送らずに永続魔法カード扱いで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。
ゴーレムからサーチできるフィールド魔法です。
手元のモンスター1枚を永続魔法化した後、デッキから千年モンスターを自分のフィールド上に永続魔法扱いとして置く効果を持っています。1枚採用で良いです。
これによりダムドの召喚条件が満たせるため、更なる展開を行っていけます。
また、手札から貼り付けるモンスターをメリュシークやペリネトレータにしてダムドの召喚条件でフィールドから墓地へ送れば、そのまま効果が発動してオルターガイストのリソースを増やしたり、先攻展開を行っていくこともできます。これに関しては後に詳述します。
蛇眼の原罪龍

融合・効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
「スネークアイ」モンスター+幻想魔族モンスター
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●自分の魔法&罠ゾーンの表側表示のモンスターカード2枚を墓地へ送った場合にEXデッキから特殊召喚できる。
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを永続魔法カード扱いで元々の持ち主の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。
神殿効果で張り付けたモンスターたちを素材に出す融合モンスターです。こちらも1枚採用です。
リンク素材として使用したり、先ほど紹介した原人と合わせてランク8を立てることができます。
また後攻から出しても強く、出た時の効果で相手モンスター1体を永続魔法化させ、打点も3000ありますので大概のモンスターを戦闘で破壊でき、相手の妨害を踏みに行くカードとしても非常に優秀です。
ダムドはスネークアイ名称を持っているため、原罪宝の墓地効果のコストとして利用することもできます。あまりやる機会はありませんが、覚えておいて損はないでしょう。
構築の仕方

千年ギミックとオルターガイストを組ませる場合は、以下の2点に気をつけて組むとよさそうです。
罪宝ギミックとの併用をおすすめ
千年ギミックの使用後、フィールド魔法の神殿がフィールドに残りますので、それをコストにディアベルスター・原罪宝を使用していくことができます。
オルターガイストの展開の択が増え、後攻からでも手数として機能しますので、罪宝ギミックも合わせて採用することをおすすめします。
モンスターを気持ち多めに入れておく
千年ギミックは展開の道中で手札からモンスターをコストに要求されますので、構築の段階で少し多めにモンスターを入れることを意識しておくと良いかと思います。
嵩増しするモンスターカードとしては、オルガモンスターや手札誘発がやはり候補に挙がるでしょうか。
オルガはモンスターと罠の構築バランスが難しいので悩みどころですが、ニューロンやMDの5枚ドロー機能を利用して、自分がやりやすい構築バランスを試してみると良いと思います。
展開・運用方法
まずは千年ギミック単体で動く場合の初動を紹介します。
タイタニック・ギャラクシーで魔法無効+攻撃誘導
初動:原人+モンスターコスト1枚
(※ゴーレム+コストでも順番が前後するだけで同様の動きが可。神殿の場合はゴーレムが出せない)
- 原人の効果を発動して永続魔法化、さらに原人の効果を発動してLPを払い自身を特殊召喚+ゴーレムをサーチ。
- ゴーレムの効果を発動して永続魔法化、さらにゴーレムの効果を発動してLPを払い特殊召喚+神殿をサーチ。
- 神殿を発動してさらに発動、手札のモンスター1枚とデッキの原人をフィールドに永続魔法として置く。
- 置いた2枚をコストにダムドを特殊召喚。
- 原人とダムドを使って、タイタニックギャラクシーをX召喚。

最終盤面:タイタニックギャラクシー、ゴーレム、神殿
タイタニックギャラクシーを選択した理由
遊戯王には優秀なランク8モンスターがそれなりにいますが、その中でもなぜタイギャラを出したかというと、魔法無効と攻撃誘導の効果がオルガと非常に相性がいいからです。
オルターガイストは先攻でカードが揃わない限り、初ターンから魔法無効のヘクスティアを展開・機能させることが難しいうえ、罠デッキなのでハーピィやライストを重く受けてしまいます。
なので初ターンからタイギャラを立てることで、そういったバック破壊カードに対する対抗策を立てたり、そうでなくとも昨今の強力な魔法カードを止めに行くことができます。
さらに、オルターガイストは戦闘破壊された後のメイン2で展開される行動に弱く、かつ千年ギミックの影響でLPも少ないため、下手をすればそのままゲームが決まってしまいかねません。
しかしこれもタイギャラの攻撃誘導効果により、オルターガイストの盤面を戦闘で突破させず、かつ自分の減ったLPもタイギャラの打点3000の壁で守ることができます。
このように千年ギミックやオルターガイストの弱点をカバーしつつ妨害していけるということで、タイギャラを制圧モンスターとして採用しています。
クロシープを使ってオルターガイスト展開を補助

千年ギミックはリンク2つ分(原人とゴーレム)+融合モンスターのダムドが出力できるギミックということで、リンク2のクロシープをリンク召喚→リンク先にダムドを置き、墓地のレベル4以下のモンスター、つまりオルガモンスターの蘇生を行えます。
これを行うためには予めオルガモンスターを墓地へ送っておく必要がありますが、手札のオルガモンスターをウェジュの効果で貼り付け→ダムドの融合素材として墓地へ送っておくことで、クロシープの効果で墓地から蘇生することができます。
さらに、メリュシークなどのフィールドから墓地へ送られたときに発動する効果も発動できるので、これによりさらにオルターガイストの展開を強化したり、アドバンテージを獲得していくことができます。
展開例
初動:原人+メリュシーク
- 原人の効果を発動して永続魔法化、さらに原人の効果を発動してLPを払い自身を特殊召喚+ゴーレムをサーチ。
- ゴーレムの効果を発動して永続魔法化、さらにゴーレムの効果を発動してLPを払い特殊召喚+神殿をサーチ。
- 神殿を発動してさらに発動、メリュシークをデッキの原人をフィールドに永続魔法として置く。
- 原人とゴーレムでクロシープをリンク召喚し、メリュシークと原人をコストにダムドをクロシープのリンク先に特殊召喚。
- メリュの効果を発動しマルウィスプをサーチしそのまま特殊召喚+メリュシーク蘇生後、2体でヘクスティア①をリンク召喚。
- 上記のタイミングでクロシープの効果を発動、墓地のメリュシークを蘇生してヘクスとメリュでヘクス②をリンク召喚、ヘクス①の墓地効果でマリオネッターをサーチ。
- マリオをヘクスのリンク先に召喚、効果でプロトコルをセット。
- クロシープとダムドでリトルナイトをリンク召喚。

最終盤面:ヘクス+マリオ+プロトコル+リトルナイト(+神殿)
このように、メリュシークを交えて千年ギミックで展開補助することで、オルターガイストの基礎的な盤面をきっちりと構えることができます。
もちろん、ここにプークエリや罪宝ギミックが絡めば、更に強固な盤面を目指していくことも可能です。
後攻から出す手数としての運用
千年ギミックはお手軽にリンク数を増やせたり、ダムドの効果で相手モンスターを除去できるので、後攻の手数として運用することもできます。
オルターガイストはお世辞にも後攻は強いとは言えないですが、その弱点を補ってくれるのは強く、また罪宝ギミックも引けているのであれば、さらに手数を出していくことも可能でしょう。
ワンキルする選択肢もとれる
千年ギミックで使用される原人・ゴーレム・ダムドはそれぞれの打点が高く、合計で7750もの打点をだすことができますので、ここに攻撃力250以上のモンスターを召喚(=プークエリ召喚でもOK!)すれば、そのまま8000以上の打点でワンキルを狙いに行くことができます。
事故ったり誘発で展開が止まった相手に対して強く使え、4回以内の召喚・特殊召喚で収まるのでニビルも撃たれません。
相手もLPを守るために妨害を撃たざるを得ず、ない場合はそのままゲームを決めることができます。
オルターガイストは初手からワンキルしに行く択を取ることが非常に難しいデッキですが、その択を増やせるのも千年ギミックの魅力と言えるでしょう。
弱点
今まで見てきたように、千年ギミックにはオルターガイストの足りない部分を補える可能性が非常に高いギミックですが、当然弱点も存在します。
手札誘発に対して脆い

千年ギミックは通れば非常に強いギミックである一方、相手の手札誘発の大半をもろに受けてしまいます。
オルターガイストの特徴として、総合的に誘発の受けが良いというところが挙げられるのですが、その受けの良さを消してしまうというのは考えものです。
昨今の遊戯王はどのデッキも先攻展開が通れば大体勝つことができ、それをさせないために誘発で相手の展開を阻止したり躊躇させたりすることが主流となっています。
そんな誘発環境の中、わざわざ千年ギミックを採用し弱点を増やすことは、かえってパワーダウンの方向に向かうのではないか…というのが個人的な懸念点としてあります。
ライフポイントを大きく消費する
千年ギミックは特殊召喚の代償として、合計で4000LPのコストを払わなければいけません。
展開系デッキであれば、千年ギミックを交えて制圧盤面を作り、相手に何もさせないまま勝つという戦法がとれますが、オルターガイストは展開の再現度がそこまで高くなく、ミッドレンジ~コントロールのレンジまで見据えて戦う場面が数多くあります。
そのため、試合時間がたてばたつほど、この減ったLPが重くのしかかってきます。
オルターガイストは展開を安全に通すために、敢えてLPで相手の攻撃を受けて安全性を担保する動きをよく行います。
そういった際、LPが少ないとこの安全性を担保できず、自分のLPを守るためにリソースを吐いてしまいジリ貧になったり、最悪キルを取られてしまうことにもなります。
またOCGでBO3形式(サイドありの場合)だと、LP減少とエクストラターンのルールの仕様上、不利になってしまう点も考えなければならないと思います。
オルターガイスト側の不安定さの問題

オルターガイストはそもそも初動がかなり不安定なデッキであり、展開・動きの再現性がかなり低いです。
サーチ札がほぼないに等しいので、メリュシークやマルチフェイカーを安定して初手に持ってこれませんし、(多少改善されてますが)モンスターと罠の比率が偏ると動けなくなる弱点は未だ健在で、オルターガイストネームが初手に複数来ないと本領発揮ができません。
なので初手千年ギミックとオルターガイストカードが引けていても、それらの組み合わせで展開できるとは限りませんし、千年ギミックを使って妨害されることでかえって首を絞めてしまう可能性まであります。
よって、現状オルターガイストにて千年ギミックを実践レベルに使うことは難しいと考えられます。
将来の展望
以上、千年ギミックはオルターガイストの可能性を広げてくれるギミックではあるのですが、現状はオルターガイスト側の動きの再現度の関係上、考えもなしに採用するのは少し難しいギミックとなっています。
しかし、もし将来の新規でメリュシークがサーチしやすくなったり、オルターガイストの展開の再現性が上がれば、メインデッキの自由枠が空き、千年ギミックも視野に入ってくるかもしれません。
今後、オルターガイストに使えそうな新規を探す際は、この千年ギミックの存在も合わせて考えると良いかもしれません。